江戸時代から続く紀伊國屋本店。
地域で愛され続ける「かめまん」の味を守る一方で、跡取り・間瀬亜里紗さんは、新しい和菓子づくりや地域とのつながりにも積極的に挑戦しています。
「昔からある和菓子屋」では終わらない。
伝統を受け継ぎながら、新しい価値を生み出そうとする間瀬さんが描く、これからの紀伊國屋本店について伺いました。
「紀伊国屋って変わったね」と思ってもらえる商品を
紀伊國屋本店では、地域で長く愛される「かめまん」を大切に守り続けています。
一方で、新しい商品づくりにも積極的です。
いい意味で「紀伊国屋がこんなものを作っているの?」と思ってもらえるような商品を作っていきたいです。
その言葉どおり、紅茶饅頭や折々レモンなど、若い世代にも親しみやすい商品が生まれています。
間瀬さんは、伝統を壊すためではなく、「和菓子をもっと身近に感じてもらうため」の挑戦だと話します。

守るものと、変えていくもの
新しい商品を作る一方で、「かめまん」は決して変えません。
うちは『かめまん』で愛されているお店です。だから、そこはこれからも大切に守っていきます。
長年親しまれてきた味や製法は受け継ぐ。その上で、新しい商品や発信方法に挑戦する。
「守る」と「変える」の両方を大切にすることが、これからの紀伊國屋本店らしさなのかもしれません。
もっと多くの人に亀崎を知ってほしい
現在は、マルシェやイベントへの出店にも力を入れています。
以前は人手の都合で難しかったこうした活動も、間瀬さんが加わったことで実現できるようになりました。
もっと外へ出て、一人でも多くの方に亀崎饅頭を知ってもらいたいです。
和菓子を届けることはもちろん、その先にある「亀崎」という町の魅力も知ってほしい。そんな想いが伝わってきます。

「帰ってきたくなる町」を未来へ
インタビューの中で口にしていたのが「亀崎が好き」という言葉でした。
学生時代、会社員時代と名古屋へ通い、多くの時間を町の外で過ごしてきた間瀬さん。
それでも、帰ってくるとほっとするのが亀崎だったといいます。
古い町並みが残り、山車祭りになると友人や親戚が自然と集まる。そんな昔ながらの温かさを、これからも残していきたいと考えています。
紀伊國屋本店もまた、この町の風景の一部であり続けたい。その想いは、お店づくりにもつながっています。

「あって当たり前」の存在でありたい
最後に、これからどんなお店にしていきたいかを伺いました。
間瀬さんは少し笑顔を見せながら、こう話してくれました。
かめまんって、私にとっては子どもの頃からあって当たり前だったんです。地域の皆さんにも、これからも『あって当たり前』と思ってもらえるお店でありたいですね。
決して派手な目標ではありません。
しかし、その言葉には、この町で長く愛されるお店だからこその願いが込められていました。
変わらない安心感と、新しい楽しさ。その両方を大切にしながら、紀伊國屋本店はこれからも歩み続けます。

編集後記
今回、3回にわたって紀伊國屋本店と間瀬亜里紗さんのお話を伺いました。
「老舗」という言葉からは、伝統を守ることに重きを置くイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、間瀬さんのお話から感じたのは、伝統とは変化を恐れないことでもあるという姿勢でした。
受け継ぐべきものは大切に守る。一方で、新しい世代に和菓子の魅力を届けるための挑戦も続ける。
その積み重ねが、江戸後期から続く紀伊國屋本店を、これから先の100年へとつないでいくのだと感じました。
店舗情報
| 店舗名 | 亀崎饅頭 紀伊國屋本店 |
| 所在地 | 愛知県半田市亀崎町3-96 |
| 電話番号 | 0569-28-0064 |
| 営業時間 | 8:00~18:30 |
| 定休日 | 木曜日 |
| 駐車場 | あり |
| インスタグラム | https://www.instagram.com/kiikuniya_honten/ |