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ツナガルストーリー

「かめまんを次の世代へ」味と文化を受け継ぐ紀伊國屋本店の想い

店の前に立つ間瀬さん

半田市亀崎町で長く愛され続けてきた「亀崎饅頭(かめざきまんじゅう)」。

地元では「かめまん」の愛称で親しまれ、子どもの頃から当たり前のように食卓に並び、帰省の手土産や贈り物としても選ばれてきました。

そんな地域に根付いた味を、次の世代へ受け継ごうとしているのが、紀伊國屋本店の跡取り・間瀬亜里紗さんです。今回は、「かめまん」を守り続ける理由と、その先にある想いについて伺いました。

「私が続けていく」それが自然な気持ちでした

江戸時代から続く紀伊國屋本店。
300年以上の歴史を受け継ぐことに、不安やプレッシャーはなかったのでしょうか。

そう尋ねると、間瀬さんは少し考えながら答えてくれました。

責任やプレッシャーというより『私が続けていく』という気持ちです。
歴史を途絶えさせず、次の世代へつないでいく。それが、この町で生まれ育った私には自然なことなんです。

歴史を背負うというより、地域の当たり前を未来へつなぐ。
その言葉には、肩肘を張らない、等身大の覚悟が感じられました。

紀伊國屋本店というより「かめまん」のお店

「守りたいものは何ですか?」という質問に対する答えは、とてもシンプルでした。

やっぱり『かめまん』ですね。

紀伊國屋本店という店名よりも、「かめまんのお店」として覚えてくださっている方が多いと話す間瀬さん。
何世代にもわたって食べられ、地域に根付いてきた味だからこそ、その味も文化も守り続けたいと話します。

紀伊國屋本店の店さき

思い出と一緒に愛されてきた和菓子

「かめまん」は、酒酵母で発酵させて作る酒饅頭です。

イースト菌などを使わず、酒酵母を育てながら生地を膨らませるため、時間が経つと少し固くなるのも特徴の一つ。しかし、その特徴さえも、多くの人にとっては懐かしい思い出になっています。

昔の人は固くなったかめまんをストーブの上で焼いて食べていたそうです。私はトースターで焼いて食べるのが好きです。

家庭ごとに、それぞれの食べ方や思い出がある。
だからこそ、「かめまん」は単なる和菓子ではなく、地域の記憶そのものなのかもしれません。

酒蔵の町で生まれた本物の酒饅頭

「歴史ある和菓子」と聞くと、つい昔ながらのお菓子という印象だけで終わってしまいがちですが、「かめまん」には亀崎ならではの背景があります。

かつてこの地域は酒造業をはじめとする醸造文化で栄えた町。
紀伊國屋本店も、もともとは酒造に関わるところから始まったと伝えられています。

その酒造りの工程から生まれたのが「かめまん」です。

亀崎饅頭

酒そのものを使うのではなく、酒酵母の力でじっくり発酵させる伝統的な製法は、今も変わることなく受け継がれています。

近年では、半田市が進める発酵文化の取り組みにも参加し、「発酵食品」という新たな視点からその魅力を発信しています。「おいしい」だけではない、新しい価値を届けたい。そんな挑戦も始まっています。

歴史を繋いでいく

間瀬さんが、その想いを改めて実感した出来事があります。

大府市で開かれたマルシェへ出店した時のことです。
初めての場所で、本当に手に取ってもらえるのだろうか。そんな不安を抱えていたといいます。

仕事中の間瀬さん

しかし、会場では思いがけない声を掛けられました。

あ、亀崎饅頭だ。これ有名だよね。
なかなか半田まで行けないから、ここで買えてうれしい。

そう話してくださるお客様がいました。
その瞬間、間瀬さんは改めて実感したそうです。

そして、その喜びは、同時に大きな責任にも変わりました。

地域で何十年、何百年と愛されてきた味。
それを未来へ受け継ぐのが、自分の役目なのだと。

歴史を、この味を途絶えさせるわけにはいきません。

その一言には、紀伊國屋本店を未来へつなぐ強い決意が込められていました。

仕事中の間瀬さん

店舗情報

店舗名亀崎饅頭 紀伊國屋本店
所在地愛知県半田市亀崎町3-96
電話番号0569-28-0064
営業時間8:00~18:30
休業日木曜日
駐車場あり
インスタグラムhttps://www.instagram.com/kiikuniya_honten/

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